この前、豆腐屋さんの危機だって、地域の個性をまちがなんとかすれば、なんとかなるのではとお話した。そこで、なんだかわからないがふと思いついたのが、サービスコミュニティの社会哲学の支えと「ご挨拶」で紹介した小宮山宏氏が、先ごろプラチナ構想ネットワークというのを立ち上げたこと。
http://www.platinum-network.jp/
活動のアピール文に「地域が自律的に自地域の課題を解決できる社会の実現」「エコで、高齢者も参加でき、地域でヒトが育ち、雇用のある、快適な社会を目指したワンランクうえのまちづくりを進める全国規模の連携組織」とある。2020年に50兆円の市場、700万人の雇用を創出できる社会を、と数値めどもハッキリだ。
これまでは個々にプロジェクトを行ってきた自治体、企業、大学、研究機関、海外の姉妹都市。これらの組織が連携することで補助金に頼るのでない無数の独立採算の持続可能な事業、つまり自分たちの力で続けられる仕事やまちづくりを起こすのが小宮山氏の目的地。
会の活動のなかで興味深いのはプラチナ大賞(地域課題を産業創出やアイデアあふれる方策で解決を目指す事例に与えられる賞)とプラチナスクール(自治体中堅職員を対象にして地域課題を解決する力を養い、卒業時には自分の自治体の課題解決モデルをプレゼンする)。
一か月ほど前に北九州市とヤマトホールディング株式会社が「第2回プラチナ大賞」を受賞したとテレビニュースで観た。北九州は「公害克服の過程で生まれた環境技術を生かし、アジア諸都市との連携でグリーンシティとしてともに成長する構想」。ヤマトは「宅急便配達時にお年寄りの安否確認を進めるヤマト流まごころ宅急便」...。
参加する自治体、企業会員は実に多い。自治体会員は横浜市の林市長はじめ、84の県知事・市町村長。法人企業会員ではサントリー社長就任が決まったばかりのローソン元CEOの新浪氏など82名。
これだけの組織が共感している。しかし、私たちの地元、武蔵野市は参加していない。なぜだろう。このところ、足元の暮らしはちょっと夢不足と思うのは私だけだろうか。
豆腐屋さん問題では“お宝”という言葉を使ったけれども、経営っていうのは地域や社会が誇れる「なにか」を見つけだし、独自の仕組みをつくって、結果、みんなが喜ぶモノやコトを生み出すこと。
どうでしょう?やり方ひとつで武蔵野市だって相当ユニークなプラチナ大賞狙えないともかぎらない、かな?
小宮山氏は東京大学総長として東大の大学改革を成功させた。自宅を「小宮山エコハウス」として電力節約ハウスの実証をした。学者なのに本当にやってしまうところがすごい。乗ったらおもしろい船だ。サービス開発コンサルタントをやってきた中小企業診断士の経験から直感する。乗船切符を手に入れるのもありかと思うが。
[2014.08.24]