2000年2月25日
21世紀の飲食サービス業の業態開発について業界全体の構造変化を踏まえて、多様な局面から分析し、提案している(178頁)。
著者:波形克彦(編著者)、小出康之、淺川明、須田敬助、安田龍平、背戸田博、橋本圭介、渡邊正幸、辻朋子
辻朋子担当:第11章「飲食サービス業の業態開発はこう進める」
(P.164〜P.178)
2000年5月22日
食品スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、婦人服専門店、ホームセンター、家電専門店、ファミリーレストラン、カタログ通販について環境分析と求められる革新的戦略提案を行なった(209頁)。
著者:片野浩一(編著者)、片岡由美、小鷹昇、琴平しずか、桜井和行、高見哲、辻朋子、豊田信、長沼フミ子、文川実
辻朋子担当:第3章7節「ファミリーレストラン」
(P.99〜P.113)
2007年2月28日
伊スローフード協会の発足以来提唱されてきたファストフード戦略への対立軸としてのスロー礼賛、反ファストという二項対立図式。本書はそれを超えて「時にははやく、ときにはゆっくりと」をキーワードに人間的生活と人間的経営活動の両立を通して真の「スロースタイル」のありかを探ることを試みる【289頁)。著者:原田保、三浦俊彦(編著者)、辻朋子、青山忠靖、藤江正嗣、熊倉広志、江戸克栄、岩倉敏昭、中西晶 辻朋子担当第1章 「こころの自己組織化−グローカルコロニーとしてのスローシティー」(P.43〜P.72)
2000年5月9日
「マーケティング論」(東京女学館大学)で使用する教科書。市場における企業の戦略的立場をリーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワーとしたうえで、中小企業の強みを市場ニッチャーとして発揮するためのビジネスプランの作成手順を導いた。顧客起点、顧客参加、個別対応度の高い経営戦略立案と事業計画策定の方法をサービス創出・提供方法を軸に解説し、中小企業総合事業団の「ベンチャープラザ事業」の応募フォーマットを用いて環境互恵型ビジネスのモデル事例を示した(205頁)。
2001年11月30日
中小企業診断士という職業の意義と醍醐味を、人間的キャリア形成の機会ととらえて伝達する。中小企業診断士という仕事が社会的必要性、資格取得の準備学習内容の解説、まちづくりコンサルタントとなった自身の体験を通して、経営というヒトの営みを熟成させるための触媒となる仕事の醍醐味を社会人と学生に伝える(223頁)。
2002年1月15日
まちづくりを経営ととらえ、行政施策と企業活動主導による市場形成の隙間に落ちていた市民ニーズに着目し、それを充たすサービスを創り出す仕組みを提案した。地域コミュニティの課題解決に向けて、学生、商店街、行政、市民等の地域活性化活動の遭遇が導いた地域活性化事業を事例に、既存の市場システムを突き動かして生まれようとする生命的な仕組みの解明を試みる(149頁)。
2006年2月10日
「マネジメントリテラシー」(東京女学館大学)で使用する教科書。財貨・活動統合型のサービス概念のうえに立ち、ヒトの相互作用がつくりだす心的プロセスを「こころ」と位置づける。商業サービスの領域を取りあげて、こころのある良質なコミュニケーションがこころのあるサービスを創り出す事例をサービスの送り手・受け手の100近い経験談をヒアリングから収集し、分類した。そうしたプロセスを経て学生が読み進む過程を通してそれぞれの経験場面に連想を広げ、良質サービスの本質に気づく仕組みを構築した(223頁)。
2006年12月15日
中小企業診断士という職業の意義と醍醐味を、人間的キャリア形成の機会ととらえて伝達する。中小企業診断士という仕事が社会的必要性、資格取得の準備学習内容の解説、まちづくりコンサルタントとなった自身の体験を通して、経営というヒトの営みを熟成させるための触媒となる仕事の醍醐味を社会人と学生に伝える(223頁)。
2007年2月
中国語版
市場における企業の戦略的立場をリーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワーとしたうえで、中小企業の強みを市場ニッチャーとして発揮するためのビジネスプランの作成手順を導いた。顧客起点、顧客参加、個別対応度の高い経営戦略立案と事業計画策定の方法をサービス創出・提供方法を軸に解説し、中小企業総合事業団の「ベンチャープラザ事業」の応募フォーマットを用いて環境互恵型ビジネスのモデル事例を示した。
2010年3月31日
「マネジメントリテラシー」「マーケティング論」(東京女学館大学)、「現代ビジネスの最前線」(武蔵野大学)で使用する教科書。博士論文を元に執筆した。サービスを創発する共同体が組織化を進め、一体感を得ていく過程を経営ととらえた。そのうえで、これをITビジネスの基盤構造であるプラットフォームの考えかたを使って仕組み化した。著者が組織間連携支援者としてかかわってきた、「学生参加によるまちづくり」「連携型大学モデルの構築」を社会性の高いサービスのプラットフォームをつくる実験と位置づけ、実験とその理論化研究の統合によって経営は進化すると分析した。それを踏まえ、これからの社会では参加者全員が互いに触媒となり、刺激し合いながら自主的に関係性を組み換え、付加価値を創りだすことで連携が進み、世界をひとつのプラットフォームとする方向で共同体を組織化していく力が求められることを述べた(198頁)。
2005年1月15日
学生活動を基軸に社会に必要なサービス機能を創出し、そのプロセスを通じて共同体に一体感を創り出すことを進めてきた筆者の継続研究の原点である。武蔵野市における学生参加の商店街活性化事業を実験と位置づけ、異能集団の掛け算効果でカオスを起こし、先入観のない発想でサービスのニーズを発見し、ゆるやかな戦略シナリオで行動を通じて学習しながら理想形に近づくのが共同体の組織化の仕組みを探究した(100頁)。
2006年10月10日
レフェリー付き論文。
P.17−P.27
本研究の問題意識の根幹はコミュニティのなかに意図的に異能集団の遭遇をつくりだすことによって、生活の領域に欠けていたサービスを創出する仕組みがいかに設計されるかを知ることにある。学生、商業関係者、企業、行政、市民等からなる多様な組織がサービス創出に向かって連携を進める様相を有機的な経営体ととらえ、サービスコミュニティと置く。そのうえで生活領域は参加者によって自発的にどう設計されるのかについて検証を進めた。
2007年10月30日
レフェリー付き論文。
P.26—P.37
組織化の原点はヒトの関係性構築であることを考えれば、サービスコミュニティとは一対のヒトを起点にしたコミュニケーションのつらなりが生む社会システムである。それは有機的なプラットフォームととらえられ、ヒトが持つ既存の社会価値観と、その逸脱とのせめぎあいのなかから創出され、持続し続ける。本論では実験と原理追究の統合からその本質を探究した。その結果、コミュニティの仕組み解明因子は時間、空間、資源の三軸であると考察した。
2008年3月
P.9—P.14
学生参加のまちづくりという形を取った体験学習による大学教育の模索と、社会そのものが既存の価値観にとらわれずに内側から変革していこうとする動きの遭遇を共同体の自己設計化の事例ととらえる。そのうえで平成14年ごろから増加し始めたこうした動きについて、触媒機能と散逸構造との仕組みから迫る。共同体における新たなサービス創発は、学生、商業者、行政、市民等が互いに自己触媒機能を惹き起こす過程で散逸構造の状態にまで組織化が高進するなかで生み出されることを説明した。
2008年3月25日
レフェリー付き論文。
P.9—P.14
本研究は不可視のサービス機能の変容を通して共同体を閾値の突破に向けていかにファシリテートするかの議論である。触媒機能を持つヒトや組織をセレンディピティと位置づけ、共同体に組み込む仕組みから不可視サービスが可視化するプロセスの解明を試みる。セレンディピティ機能の参入によって既存組織にゆらぎが増幅し、混沌から秩序が形成される仕組みが自己組織化の本質であることを論証する。結論としてこうしたモデル創出を支援するのがファシリテータの役割であることを述べた。
2009年1月8日
本研究では共同体が自己組織化する過程を原理追究と実験の繰り返しにおいて探究した。以上を統合し、組織化を実現する自己創出構造をスパイラルモデルによって表すことを試みた。自己組織化の仕組みは社会のなかでサービスが充実していない領域での共同体参加者のサービス創発行動によって説明した。以上の考察を通して「行動を通して学習する」共同体を実現させるための組織化に向けて行動指針を提示した。
(124頁)
2009年6月25日
林大樹、辻朋子共著
P.55—P.59
地域コミュニティが直面する課題解決のために、大学と地域が協働する事例が増えている。それは大学にとっては社会貢献の側面があり、同時に座学による知識伝達中心型教育に替わって、体験学習による知恵創出型教育を模索する活動である。一方、地域はこれまでの既存性に支配された経営の閉塞状態に危機感をもち、新奇性としての新しい要素である学生を受け入れはじめている。こうして異質性が社会的な必要性によって出会うことで互いの課題解決能力が増す。本研究ではこのようにして進む組織化をソーシャル・イノベーションととらえ、著者たちの実践例を紹介する。
2011年5月28日
レフェリー付き論文。日本経営診断学会学会賞奨励賞 受賞。
本論文の目的は共同体が組織化に向かうための法則を解き明かすことにある。関係を組み換えて価値を創り出す組織化の仕組みをプラットフォームと置く。そのうえで論者の知る限りこれまでの研究ではプラットフォームの構築手法に十分言及されたものがないことを述べ、その構築プロセスの分析を進めた。まず組織化の必要条件としてプラットフォームビジネスの成功事例とされる楽天創業者三木谷が社員育成のために著した『楽天社長講話』(三木谷, 2006, 非公開資料)にある組織化25ポイントと、これまでの論者研究でまとめた組織化法則性25ポイントを比較しながら異同を議論した。結果としてコンセプチュアルスキル、テクニカルスキル、ヒューマンスキルに分けて組織化の法則性をまとめた。次に十分条件として S-Dロジックを用いてすべてのサービスシステムはプラットフォームの仕組みをもつことを述べ、事例としてノーベル賞を得た社会企業であるグラミン銀行もプラットフォームを基盤構造とすることを示した。結論ではプラットフォーム構築には一定の法則性があり、その構築は営利企業のみならず、社会性と経済性の統合を目的とするすべての互恵の仕組みづくりに欠かせないことを提示した。