武蔵野市民会館で開かれた「境から考えるまちの未来」に参加した(10 月13日)。パネリストは四組。武蔵境駅徒歩3分の土地で何代も続く農家のご夫妻は庭先販売や境名物トウガラシでこども参加の収穫祭を実施する「畑仕事人」。他市在住の大学生は出版社就職希望で地域誌「iisakaii(いいさかい)」の学生公募で編集を体験し、「外から来たものにすべてが新鮮。まちに大事なのはヒト」。
「境おやこひろば」でパパ、ママの集まる場を立ち上げたグループ代表は関西から来た兼業主婦の子育てママで「自然と暮らしがほどよく混在する境は好きでここに住居を」。市の男女共同参画支援事業ヒューマンネットワークセンターのボランティアは「男女共同参画の仕組みを境発信で武蔵野中につくって欲しい」。子育てママはこちらの再就職セミナーで仕事復帰の後押しをもらった。
話を聞きながら、当日のコーディネータ日本女子大学教授、武蔵野の森を育てる会代表のT先生から、「土のヒト(土地とともに暮らしてきた住民)と、風のヒト(風に乗ってきた新住民)が居てまちができる」と聞いたのを思い出す。武蔵境は東京にあって田舎と都会が混在する数少ないスポット。市内では開発が遅かったことが幸いし、今、ファミリー向けマンション建設ラッシュで子どもの数が増え、一方、農地や林も残っている。ヒトの関わりにも自然にも、まだこれからの「余白」あり。
地付きの人、若者、新住民のほか、商店街、企業、自治体が吸い寄せられ、逆風ももちろんあろうが、「風土」が現在進行形で生み出されつつある。こんな「境流」が三鷹、吉祥寺を刺激し、触媒となり合って広がるまちづくりもありか。気づきをもらいあう会合だった。
[2014.10.20]