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バカっぽい一途さで子は育つ

バカっぽい一途さで子は育つ

 1116日、如水会館で行われた一橋大学同窓会である如水会創立百周年記念パーティーに参加した。会合をいつもながら、一番盛り上げるのは大学応援部の演舞。みなさんは応援団というのをそもそもご覧になったことがあるだろうか。

 彼らが創りだすのは一種トランスの状態である。あまりに力が入って顔は真っ赤、ときにおサルかひょっとこのような形相ものともせず、大学を鼓舞し、ひたすら歌い舞う。

 そうするうち、最初はのんびりと彼らを眺めていた学長も、理事長も、OB諸氏も、現役学生も摩訶不思議な昂揚感に巻き込まれ、手も壊れよと手拍子の嵐。応援部は体育会の試合や大学祭の一瞬のために夏休みを返上し、練習を重ねるのだが、そのやっていることは実にバカっぽいと言わざるを得ない。否、彼らの名誉のために正しく言えば、不可思議な技を先輩から伝承すべく夢中になってやるバカっぽい一途さが会場をどよめかす。

 そして、彼らは普通に勉強した学生よりときにいい社会人になる。ヒトのこころの機微がわかる彼らの先輩を見るにつけそう思う。なんでもいい。学生時代に夢中になれるものがあるのはすばらしい。

[2014.11.19]